|
Ⅴ. 皮膚疾患
アーユルヴェーダによれば、皮膚疾患は体内の糖分が過剰なために引き起こされます。その影響を弱めるために、砂糖の反対の苦いものが処方されます。ニームはその苦味素皮膚疾患に対して使用されるハーブであり、乾癬（かんせん）、にきび、湿疹、かゆみ、フケ、イボなどの病気の治療に高い効力を有することが証明されています。ニームは、何千年もの間、あらゆる皮膚病に利用され、その治療特性において、アロエと等しく、或いは優れているとさえ考えられています。
1. 乾癬
乾癬は、非伝染性皮膚疾患であり、薄い銀白色で覆われた皮膚病変で炎症性の膨らみが見られます。個人に合わせて作用する薬も治療法もなく、最も効果的な養生法を見つけるため、治療法を組み合わせることも多くあります。長期の寛解期を伴いながら時々症状が現れたり消えたりしますが、ほとんどの場合は難治性です。
ニームオイルは現在、乾癬治療に利用可能な恐らく最良の製品です。皮膚に潤いを与え保護する一方、病変や皮膚の剥がれ、炎症を治療する手助けをします。乾癬患者に関する実験や報告書によると、ニームの葉の経口投与とニームエキス及びニーム種子オイルでの局部的な治療を組み合わせた結果、コールタールやコルチゾンと少なくとも同等の効果を現したことが明らかになりました。
ある症例研究では、重篤な乾癬を罹患している患者に対し、ニームエキス（nimbidin）を1日に3回投与し、nimbidinを混ぜたココナッツオイルで皮膚を治療しました。３ヵ月もたたないうちに、かゆみや赤みが治まり、治療期間中皮膚の症状は改善し続けました。治療の最終結果は、乾癬の兆候が完全に消失したことであり、顕著な副作用もありませんでした。症例研究では、ニームで治療した部位は、日光にさらされた時でも早く治療されたことを報告しています。
通常、乾癬の治療には、コールタールかコルチゾンのどちらかが関係します。コールタールは扱いにくく悪臭があり、コルチゾンは繰り返し使用すると皮膚が薄くなることがありますが、ニームはどとらの欠点もありません。ニームを局所的に塗布することは、簡単で安価です。そして、普通は、ニームオイルかニームクリームを使用し、皮膚を滑らかにする手助けをします。不快な匂いもなく、衣服にしみを作ることもなく、抗菌性および抗ウイルス性化合物が感染を防ぎます。また、副作用がなく長期間使用可能です。また強い副作用の恐れがあり、肝臓障害や奇形児の原因になるかもしれない、経口投薬や注射の代わりにもなります。ニームは乾癬治療に対して、おそらく最も安全で最良に使用できます。
ある薬物療法は、乾癬やその他皮膚疾患の治療にサリチル酸を使用します。この治療の潜在的な副作用に関する実験では、皮膚の痛みのある人は、非常に簡単にサリチル酸を吸収することがわかりました。重篤な乾癬を罹患していた７０歳の男性に対し局所的にサルチル酸で治療したところ、脳障害や呼吸性アルカローシス、代謝性アシドーシスを併発したため、透析によってサリチル酸を減少させ、通常の新陳代謝に戻すことだできました。このような副作用に対して、ニームは、乾癬やその他の皮膚疾患を安全に治療する使用を提供できます。
＜処置方法＞
死細胞を除去し、また細菌を殺すために、ニーム石鹸（患部が敏感な場合はニームシャンプー）で皮膚を洗浄することは、乾癬治療の正しい第１段階である。皮膚を落ち着かせるために、湯を張った桶にニームの葉を２０枚加え、その中に十分患部を浸しなさい。軽く叩いて乾燥させた後、ニームクリームかローションを患部に塗布しなさい。効果を高めるためにニームの葉を服用することは、体内から作用させることで局所的なニームクリームだけより早く結果を出すことができる。
-15-
2. 尋常性白斑（じんじょうせいはくはん）
尋常性白斑は、皮膚の色素脱失をきたす自己免疫疾患であると考えられています。浅黒い肌の人々において最も顕著である一方、人種にかかわらず人口の約0.5％に発症します。唯一の治療法は、日光に照射するか、コルチコステロイドを塗布するかですが、有効でないことも多く見られます。
少なくとも１年間白斑を罹患している１５人の患者に対して、ニームの経口投与実験が行われました。加えて、数種類のハーブ含有クリームを白斑に塗布し、それから日光で照射しました。９０日後、患者のうち25％が完治し、60％に症状の軽減が見られ、誰にも副作用は見られませんでした。長期間治療を続けた患者が最も治療が進んだことから、その治療法を受けた患者はすべて完治する可能性があることを示しています。
この実験では、１日に３回4gのニームの葉を、なるべく食事の前に経口摂取しました。
＜処置方法＞
ニームオイルの免疫賦活作用や他の皮膚疾患に関する効果は、ニームオイルの患部への塗布とニームの葉或いは、樹皮の内服を組み合わせることで、白斑による退色を治療することに非常に役立つだろう。
-16-
3. 湿疹
皮膚に関するニームの多様な薬効のひとつが、湿疹（皮膚炎）に対する治療です。活性成分の濃度のためニームオイルがより好まれますが、比較的弱いニームの葉のエキスでさえ局所的に塗布することで、急性の湿疹を治療します。
＜処置方法＞
湿疹の強いかゆみや発赤を和らげるために、ニーム石鹸かニームシャンプーで患部を洗浄しなさい。徐々に清潔になり、感染性の細菌が死滅する。一般的な入浴法は、お風呂のお湯に市販のバスソルトとニームの葉或いは、ニームエキスを加えなさい。幹部をニーム石鹸かニームシャンプーで洗浄し、それからニームクリームを塗布しなさい。重篤な場合には、症状が消えるまで、コショウを茶さじ1/4杯加えた苦味の少ないニーム茶を1日に2回飲みなさい。
4. しわ
ニームオイル配合のクリーム或いは、ローションは、天然の皮膚保護成分と皮膚に潤いを与える成分によって、しわの予防に使用されます。ニーム中の抗菌化合物が皮膚を保護する一方、免疫賦活化合物が皮膚の表面下で病原体と闘う皮膚深層を助けます。これらニーム化合物は、柔軟性を保持する健康な皮膚になることに役立ちます。
＜処置方法＞
皮膚を洗浄して乾燥させた後、ニームクリームを特に乾燥してしわになりやすい部分に塗りつけなさい。ニームオイルの薬効を補助するために、ニームの樹皮と葉からつくられたフェイスパックをしなさい。フェイスパックが乾燥するにつれて、ニームの鎮静化合物が皮膚に吸収されるため、しわの減少に役立ち、皮膚をなめらかに感じさせ、皮膚を若く見せるだろう。皮膚を引き締める収斂混合物であり、特に過敏症の人々に有効である。
-17-
５. にきび
にきびは、通常、皮脂（皮膚で産生される脂）が詰まることによって引き起こされる炎症性の毛襄です。ニームは、にきびの原因である細菌を殺し、目に見える炎症を抑えます。ニームクリームは、何年も前に終わったにきびで皮膚が発赤している人々の外観さえ改善します。
＜処置方法＞
にきびを予防し治療するためには、まずニーム石鹸で洗顔し、それから皮膚を和らげ引き締めるためにニームのフェイスパックを使用しなさい。仕上げに、肌をしっとりさせて調子を整えるために、ニームローションかニームクリームを塗布しなさい。ニームの葉1ｇを毎日内服することで体内の糖分の影響を弱め、にきびを減らす手助けをする。
６. 乾皮症
乾皮症は年齢の結果であり、どのくらい環境から皮膚を守ってきたかということです。年齢とともに、真皮は水分と脂分を保持しにくくなります。つまり、皮脂腺は十分な脂分を産生できず、サポートしている線維やコラーゲン、エラスチンの産生が減ります。皮膚に栄養を与える毛細管が狭くなり、皮膚から酸素や栄養分を奪います。こういった症状が組み合わされると、乾皮症が発症します。ニームオイルを皮膚に塗布すると、失われた脂分が再び満たされ、皮膚の水分が保持され、コラーゲンの産生を刺激する手助けをします。毛細管はニーム化合物によって拡張され、皮膚への血液供給が再び始まります。それゆえ乾皮症を起こした症状を元に戻し始めます。脂分が与えられ、水分が保持されることで、皮膚を柔らかく滑らかにします。
＜処置方法＞
ニーム石鹸でやさしく乾燥肌を洗浄した後、保湿剤としてニームローションを塗布しなさい。重篤な乾皮症には、洗浄後、肌が天然バランスを回復するまで毎日数回ニームクリームを繰り返し塗布しなさい。
7. フケ
通常、ホルモンのアンバランスや感染、脂肪分や糖分の多い食事と関連しているフケは、唯一管理でき、治療可能です。他の皮膚炎と同様に、ニームはフケを抑える際に使われるハーブです。ニーム化合物を内服することで過剰な糖分摂取の影響を弱め、ホルモンバランスを整えると思われます。
＜処置方法＞
フケを治療するためには、淋浴の前に手短に頭皮にニームクリームを塗布しなさい。鱗片が剥がれやすく､頭皮を柔らかくするだろう。通常、ニーム葉エキスとともにニームシャンプーを使用することで、剥がれやすくなった鱗片を取り除き、頭皮を攻撃する病原体を死滅させる。入浴後、ごく少量のニームオイルを頭皮に塗布し、余分なニームクリームを除去するため髪の毛をタオルで拭いて乾かしなさい。特に脂肪分や糖分の多い食事をした後は、ニーム茶を飲むことで、体内のバランスを整え、フケを防ぐだろう。
-18-
8. 頭皮のかゆみ
頭皮のかゆみは、アレルギーやフケからダニまでの様々が原因になりえます。唯一管理でき、治療可能です。他の皮膚炎と同様に、ニームはフケを抑える際に使われるハーブです。ニーム化合物を内服することで過剰な糖分摂取の影響を弱め、ホルモンバランスを整えると思われます。
＜処置方法＞
ニームシャンプーで頭皮を洗い、その後頭皮に少量のニームローションを塗布することで、これらの症状は緩和するだろう。
9. 皮膚潰瘍
皮膚潰瘍は、一般にほとんどが血液の供給および排出が不十分なため、足に発症します。表面組織が浅く、又は深く破壊され､通常、炎症性で痛みを伴います。
＜処置方法＞
目に見える傷と同じく、ニーム石鹸で洗浄し、ニームローションで保護するべきである。個々の潰瘍には、ニーム葉エキスを塗布するか、葉全体で皮膚潰瘍を湿らせるかして、一晩或いは、治るまでガーゼの包帯で覆いなさい。包帯とエキスは毎日交換しなさい。重篤な場合には、3日間毎日ニーム茶を2杯飲みなさい。
10. イボ
イボは該がありませんが、皮膚や粘膜上で伝染して増加します。皮膚の最も表面で感染し、根はありません。イボは、30種存在するパピローマウイルスのどのウイルスも原因になります。局所的な除去法は、冷凍か腐蝕酸のどちらかを利用しますが、ニームは、ウイルスの増殖を予防し、イボを次第にゆっくり消失させることが可能です。また、ウイルスが細胞に感染して新たなイボを増やすことを防ぎます。
＜処置方法＞
イボを治療するためには、ニームの葉全体でイボを覆うか、小さい包帯のガーゼ部分をニーム葉エキスかニームクリームで浸し、イボの上に置きなさい。1週間後、治療の進行具合を見るため患部を調べなさい。
-19- | 
ヒューマニック・インフォ
